第59話 / 全71話
第59話
私を弾劾する上奏文が、山のように積み上がっていた。「監国中に専横を極めた」。「東宮では夜ごと赤い光が立ち昇り、妖気が満ちている」。「男寵を囲い、宮中の風紀を乱した」。……最後の一文を読んだ瞬間、思わずまぶたがぴくりと跳ねた。というのも、その「男寵」として書かれていた名前が――皇帝陛下だったからだ。……宰相は、完全に狂っている。もう私一人を狙っているんじゃない。宮中すべてを巻き込み、皇帝に決断を迫っている。
朝議。宰相は笏を胸に掲げ、一語一語噛みしめるように口を開いた。
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