第26話 / 全71話

第26話

翌朝。空がようやく白み始めた頃。私は――蹴りで目を覚ました。小さな裸足が、錦の布団越しに私の腰を軽く蹴る。力は強くない。けれど、狙いだけは恐ろしく正確だった。

ぼんやりと目を開けると。目の前にあったのは、傾国の美貌を持つ蘇貴妃の顔だった。眉間にはわずかな皺。唇は少し尖っている。一体どんな夢を見ているのか、寝言を漏らしながら、もぞもぞと隣へ寝返りを打とうとしている。