第33話 / 全71話

第33話

私が口を開こうとした、その時だった。奥の間から、ドンという鈍い音が響いた。続いて、裸足で床を踏む小さな足音。パタ、パタ……。私たちは同時に振り返った。

寝殿の扉が勢いよく開く。そこに立っていたのは、目をこすりながら出てきた蘇貴妃だった。長い髪は乱れて肩に流れ、貴妃用の寝衣の帯は半分ほどほどけている。その絶世の美貌には、眠気と不満がありありと浮かんでいた。