
転生したら太子だったんだが、なぜか後宮が私と息子の禁忌の恋に沸き立っている
東宮の夜が噂になる。妃嬪も宮人も皇太后までが、皇太子と蘇貴妃の仲を推している。真相はもっと奇妙だ——転生した一家が、後宮の誤解の渦に放り込まれただけだった。皇帝が真相を暴こうとした瞬間、宮中は言葉を失う。誤解と推し活と帰還期限が絡まる完結の宮廷コメディ。
一級ジャンル
ロマンスのうち、ロマンタジー、職場恋愛の小説。

東宮の夜が噂になる。妃嬪も宮人も皇太后までが、皇太子と蘇貴妃の仲を推している。真相はもっと奇妙だ——転生した一家が、後宮の誤解の渦に放り込まれただけだった。皇帝が真相を暴こうとした瞬間、宮中は言葉を失う。誤解と推し活と帰還期限が絡まる完結の宮廷コメディ。

ペア腕立て伏せは罰ゲームのはずだった。耳まで赤い宿敵が覆いかぶさり、キスはルールになかった。街の案件は次々と消え、相手のCEOは何年も争ってきた男その人だった。宿敵が上司になったオフィス恋愛。

優秀社員賞の握手が、二人の最大の接触だった。なのに肩書きは増え、噂は止まらない。周防社長が昇進させ続ける理由は一つ——心の声が聞こえ、私は毎日その声で彼を解体しているからだ。

喧嘩の直後に展示ホールの灯箱が落ちた。目が覚めた私は彼を知らないフリをするつもりだった。瀬川律は目を赤くし、三年の婚約と式場予約を並べ、唇で確かめろと言う。欲しかったのは賠償。彼が欲しいのは、サインしていない結婚だった。

一八七センチの大男が目尻を赤くして抱きつき、お腹が痛いと揉んでくれと言う。体が入れ替わり、彼は私の痛みを、私は彼の声を持った。結婚式はカレンダーに残ったまま。取り消したい本人が、どちらの体で言っているのか分からなくなる。

男の秘書を、三年、抱いた。 毎日、絡みついて、床へ引き込んだ。 また死ぬほど絡み合っている最中、眼前を数行の弾幕が流れた。 【来た来た。悪女の偽令嬢、まだ自分のいい暮らしが終わるなんて知らない。】 【青柳瑛、可哀想。天野家の実子なのに、取り違えられただけじゃ足りず、大人になって巣を奪った女に身を売れ。】 【あと数日耐えろ。親子鑑定が出る。実家に戻って、うちのそのと出会い、この女を顔面から殴れ。】 【そのこそ公式カップル! 善良な女主に、本物の御曹司。完璧!】

二十年、男を偽ってきた。 帝都中が、私を生粋の男だと思っている。 私は桐生昭。大周国の北鎮侯爵。 胸を潰し、肩を盛り、低い声で罵る。 朝堂では八年、宿敵の鷹司蓮といがみ合ってきた。 墨に糞を混ぜ、弾劾し合う。それだけのはずだった。 冬至の夜。御苑の築山で、四五歳の団子が裾を引く。 「母上!!」 ―― Hawk。違う。俺は男だ。 だがその子は、舌の下の砂糖漬けも、鎖骨の三日月の痣も、知っていた。 名は鷹司蓮昭。宿敵の子で、三年後から来たという。 「母上が父上に、一昼夜くっついてくれないと、ぼくは消える」